エポキシ樹脂製エンブレムの作り方

エポキシ樹脂製エンブレムは2種類の液体を混ぜ合わせて硬化させて作ります。
粘り気のある液体を混ぜますので、気泡を除くための脱泡が重要です。

エンブレムの原型作り

エンブレムのデザインが決まりましたらABS樹脂板のエンブレムを作る時と同じく
CADデータを作り削るのですが、エポキシ樹脂用エンブレムの場合、エポキシ樹脂
ではなく、モデリングワックスを削ります。

モデリングワックスのエンブレム原型

 

上の画像はモデリングワックスを削って作りましたエンブレムの原型になります。
青色のモデリングワックスを削りました。モデリングワックスは用途により緑色
、青、茶色、赤と使い分けます。ワックスの硬さと粘り気が違い、硬いワックス
程削りやすいのですが、細かな部分があると欠けてしまう可能性がありますので
丁度、中くらいの硬さの青色のモデリングワックスを使いました。
ちなみに、この青いモデリングワックスはローランドDGの製品です。
上の写真の削りだしたエンブレム原型の余分な部分を切り落としてから、
アルコールで表面を拭きとります。

ローランドDGさん

エンブレム用シリコンゴム型の製作

上の青色のエンブレム原型を使いゴム型を作ります。

 

上の画像は出来上がったシリコンゴム型になります。
半透明のシリコンゴムを使っています。余談ですが、このシリコンゴム、食品用に使える
物ですので、この型にチョコレートを流せばチョコレートのエンブレムも作れます。
ゴム型は、これから作るエンブレムの出来を左右しますので、2種類のシリコン剤を混ぜた
後に混ぜた容器ごと1次脱泡と言われる空気抜きを真空ポンプで行い、その後エンブレム原型
をいれた流し込み枠に流した後に2次脱泡をして気泡が入らないようにします。

シリコン型に透明樹脂を入れてみました。

 

試しに透明なエポキシ樹脂(最初は無色透明です。)を入れてみました。
実は、エポキシ樹脂を型に入れて作るのは、思ったより難しく、只
型に流すのではなく、条件により別の工程が必要になります。

冬場にエポキシ樹脂を使う場合

気温の低い冬場にエポキシ樹脂を流す場合、低い気温ですと樹脂の粘り気が多くなり
ますので、2液のエポキシ樹脂を混合した後に40度位の湯煎で温めてから一次脱泡を
して、その間にゴム型をドライヤー等で温めておいて、ゴム型にエポキシ樹脂を流し
た後に2次脱泡をします。その後、気温の状態に合わせて硬化時間を待ちます。

夏場にエポキシ樹脂を使う場合

逆に夏場の気温が高い状態で使う場合にも注意が必要です。夏場は樹脂の粘り気が少な
くなるので湯煎で温める必要はありませんので、2液混合後そのまま1次脱泡をします。
その後、型に流して2次脱泡をするのですが、温度が高いと脱泡後の泡が消える前に
固まる恐れがありますので、概ね25度以上の場合、冷蔵庫に入れて固まる時間を遅らせ
て泡が抜けた後に常温で硬化させれ事もあります。

 

2色のエポキシ樹脂エンブレム

 

上の画像はゴム型を使い作った2色のエポキシ樹脂製エンブレムです。
最初に2液エポキシ樹脂を混ぜてから下のマイカパウダー(solid Purple)
を加えてゴム型に流して固めてから、白い文字部分用にエポキシ樹脂
に白い塗料を混ぜて流し込み、切削、研磨して仕上げています。